前編【バルクホールディングス主催】ダイバーシティ座談会

2022年09月08日
対談者紹介
バルクホールディングス
代表取締役CEO
石原 紀彦(イシハラ ノリヒコ)
JobRainbow
代表取締役CEO
星 賢人(ホシ ケント)
バルクホールディングス
管理本部 HR推進部部長
豊田 典子(トヨダ ノリコ)
バルクホールディングスグループ
株式会社MSS SDGs推進部
沢村 愛弓(サワムラ アユミ)
Introduction
バルクホールディングスグループは、社員一人ひとりが自分らしさを発揮し、多様な考え方や能力を活かした企業革新を目指し、ダイバーシティの取り組みを進めています。
今回は、社会全体のダイバーシティの実現に向けてバルクホールディングスと一緒に事業を展開している「JobRainbow」代表取締役の星さんをゲストにお迎えし、バルクホールディングスの代表取締役石原と会社や社会のためにどうダイバーシティを推進していくべきかなどをお話していただきました。また、女性・母親・人事の観点から見た会社のダイバーシティについてのお話、新しい世代へ向けたメッセージもうかがいました。

バルクホールディングス代表 石原の考えるダイバーシティとは。
今、そしてこれから何をするのか、何ができるのか。

石原

バルクホールディングスは主にセキュリティ事業とマーケティング事業の二つを展開していて、そのどちらもSDGsに深く関連しており、ひいてはダイバーシティについても非常に重要なトピックだと考えています。
まず、そもそもの全体感として、日本の場合は単一民族なのでダイバーシティといった価値観・考え方がなじみにくい風土だったのですが、グローバル化が進み、海外の企業との連携も増え、色々な人と働く機会が今では当たり前のようにあります。また、多くのリサーチでは、ダイバーシティ経営・SDGs推進に適切に取り組んでいる企業の方が、経済的なパフォーマンスであったり、投資の観点でのパフォーマンスが良かったりと、そういった結果が出ているようなので、企業が事業を遂行する上で、ダイバーシティ・SDGsへの適切な取り組みが当たり前のように求められているというのは、すでに疑いのない市場の認識だと私は思っています。

私自身ダイバーシティについての見識が特別深いわけでもないのですが、企業のトップとして、ダイバーシティは会社が成長を遂げていくための大事な要素だと考えております。我々はサイバーセキュリティ事業において、イスラエルの企業とも提携をしてビジネスを行っているので、本日はLGBTという側面だけでなく、日々様々な人が感じるべき、色々な視点でのダイバーシティについて語っていけたら嬉しいなと思います。

そうですね。イスラエルの企業様と一緒に事業をやられているとのことでしたが、イスラエルは世界で最もLGBTフレンドリーな国の一つと言われていて、多様な人たちが自由に自分らしく活躍できるというところが重要なテーマになっている国ともいわれています。また、サイバーセキュリティという面でいうと、様々な人の多様な視点があった方があらゆる危機可能性を予測できるし、対応できますよねっていうのも大きなテーマになっていて、国家的な脅威と多様性が結びついているようです。例えば、アメリカで9.11のテロが起きた時になぜ未然に防げなかったのかというお話で、国防省の中にテロにおける思想や国の文化的なバックグラウンドを持っているメンバーがチームにいないので、そこまで考えが及ばずテロに関する危機管理が出来なかった、それが一つの原因だよねと言われているようです。調査をしたところ、ダイバーシティが進んでいる方がリスク対応の可能性が上がるという結果が出ているようで、最近では、軍事的なチームにおいても多様性・ダイバーシティというのは意図的に担保されるような仕組みが増えてきているようです。

一方で、日本は単一民族的な思想がまだまだ強く、ぱっと見でも多様性を感じにくいなと思うのですが、多様性というのは見えやすいところだけではなくて、そうではない、視覚的にあらわれない違いというのも多々あるんですね。近年ではこの“見えない違い”というところに多様性の考え方がシフトしているように思います。人というのは、100人いれば100通りの考え方や価値観があるし、民族性も地域によって全然違う人がいるはずなん
ですけど、日本では見た目上、同一民族に見えてしまうので、、、っていう時に、じゃあ社内でどういう風に多様性や多角的な視点を担保していくのかというところが、ダイバーシティ推進において非常に重要になってくると思いますね。

石原

すごく面白いですよね。今の話もそうですけど、企業経営の場合は善管注意義務などがあり、その中に「クリティカルアイ」っていう考え方があるんですね。物事を考える時に想像し得るあらゆる事象に関し、批判的なオブザベーションをして、一度すべてテーブルに並べる。そして、テーブルに出し切ったうえでする判断が正しいという考え方です。そうすると、先ほどの文化的な違いが理解できなかったとか、偏った情報だけに依存してしまうと、危険が生じる可能性がある。それでは企業経営においてやるべきことを充分にしたとは言えないので、こういったことも多分ダイバーシティに関連しているのではないかと思います。
色々な要素を取り入れて、柔軟に対応していく方が組織全体の効率性が上がっていくというのは統計的にも説明ができるはずですが、ダイバーシティという考え方をかみ砕いていく中で、単なる人の多様性の問題と捉えるのか、企業経営の上での問題と捉えるのか、こういった考え方がもっと企業にあっても良いのかなと思ったりもします。

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